頭の体操
男には引けない場面があるということ
男と言う生き物は自分の存在を確かなものとするために、絶対に引いてはいけない場面があります。
今日は男のプライドを賭けた熱いお話です。
(パソコンとは関係ありません)
きっかけは些細なことから・・・
こんにちは山脇です。
先日あったとある出来事についてお話します。
ある日、猪口先生が電卓を持って僕のところにやってきました。
猪口「山脇センセー、ちょっとこの電卓を持ってください。」
山脇「ん?いいけど?」
猪口「1から9の数字を1回ずつ好きな順番に押して下さい。」
ポチポチ
山脇「押したよ?」
猪口「そしたら、3で割って下さい」
山脇「÷3ね」
猪口「割り切れましたね。今度は違う順番でやって下さい」
ポチポチ
山脇「また割り切れたね・・・。」
猪口「どんな順番でも3で割り切れるんですよ。」
猪口「知ってましたか?(ドヤッ)」
山脇(なにこいつ、さも自分で考えたかのように言いやがって・・・。)
正直ムカついた
1から9までの数字を1回ずつ使うと、順番に関わらず必ず3で割れる件について検証する。
と、言うわけでスタッフにドヤ顔されて黙っていられるほど器の大きくない僕は、理由を検証することにしました。
問題の確認
赤枠内のボタンをどのような順番に押しても3で割り切れるそうです。
エクセルでいくつか計算してみました。確かに割り切れていますので本当のようですね。
一体どういう理屈なのでしょうか?
(しばし検証・・・)
しばらく電卓をいじっていると、縦1列や横1列、斜めでも同じ法則があることに気付きました。
エクセルでいくつか試した結果が上の図です。
9桁で法則を見つけることは難しそうなので、まずはこの3桁で法則を見つけたいと思います。
「・・・。」
各桁の余りの和が3の倍数になる
しばし考えて上記の共通点を見つけました。
例えば「987」の場合ですと
- 9÷3=3 余り0
- 8÷3=2 余り2
- 7÷3=2 余り1
となりますので、余りの和は「3」になります。
いくつか検証してこれで間違いはなさそうです。
なんとなく納得できそうではありますが・・・。
なぜそれなら割り切れるの?
という所が分かりません。
なのでさらに検証を進めることに・・・。
筆算をしてみる
各桁の余りが他の桁にどのように影響を与えるのかを検証するために、筆算で割り算を行ってみます。
計算上の余りという概念は分かり難いので、とりあえず液体として問題に取り組みます。
例えば879リットルの水を3リットルずつ配ったら何人に分配できて、何リットル余るのか?という感じですね。
これを筆算で表すと
こんな感じですね。
途中まで計算します。
最初の桁のみに着目すると・・・。
8リットルの水を3リットルずつ分けると2人に与えることが出来て、2リットル余ります。
筆算ではここで次の桁の「7」が下りてきて27という数字が出来ます。
これは余った2を10倍にして7を足すと言う操作をしていますので
数式で表すと
20+7=27
と、なります。
通常はこの27リットルをさらに3で割ることで、9人に分配して余りがなくなるとなるのですが、
個別に考えてみます。
20÷3=6人 余り2リットル
7÷3=2人 余り1リットル
合計で3リットル余っているので合わせれば1人に分配できます。
6人+2人+1人=9人
と、なりますので別々に計算しても同じ答えが出ます。
上記の事をザックリ言葉で表すなら
「最上位の桁を3で割って余りを10倍し、再度3で割った余りと次の桁を3で割った余りを足して再度割って余りを求める」
これを最後の桁まで繰り返していきます。
さてここで注目したいのは上図の赤字部分の「2」です。
これは「8÷3の余り」です。これを10倍して再度3で割った余りを求めているのですが、上記の計算過程の通り結局余りは「2」になります。
つまり3で割った余りを10倍して再度割っても同じ余りになるということです。
- 10÷3の余りは1ですし
- 20÷3の余りは2です。
- 30÷3の余りは3。すなわち0です。
- 40÷3なら4なのでもう1つ取って余りは1です。
余談ですが、これを知っていると800を3で割ったら2余ると言うことが瞬時に分かります。
話を戻すと
20÷3=6人 余り2リットル
で余りを計算していますが
これを詳細に書くと
(8÷3の余り)×10÷3 = 6人 余り2リットル
となり、上記の法則から
8÷3の余り = 余り2リットル
とショートカットできます。
「最上位の桁を3で割って余りを10倍し、再度3で割った余りと次の桁を3で割った余りを足して再度割って余りを求める」
この言葉にこのショートカットを適用すれば
「最上位の桁を3で割った余りと次の桁を3で割った余りを足して再度割って余りを求める」
と言い換えることが出来、これは余りを求めることにフォーカスするならば10倍せずに直接余りを足して良いということです。
これが3で割る筆算の計算過程となります。
つまり3で割る場合に限り、各桁の余りの和がその割り算の余りになる。(正確に言うとそれを最後に3で割った余り)
だから余りの和が3の倍数ならば割り切れる
と、なる!
そして戦いに勝利した
山脇「と、言うわけだよ猪口君」
猪口「なるほど!」
こうして今日も小さなプライドを守り通しましたとさ
めでたしめでたし