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連載小説 恋のわかでき学園 第2話

第2話:試合の日 佐藤美咲は、翔太からの誘いを受けてからというもの、

心の中で何度もその瞬間を思い返していた。

翔太の真剣な目と力強い言葉が、彼女の心に深く刻まれていたのだ。

試合の日が近づくにつれ、美咲の胸は高鳴り、

期待と不安が入り混じった感情が渦巻いていた。

試合当日、美咲は早めに学校に到着した。

彼女はパソコン部の部室で少し時間を過ごし、

心を落ち着けようとしたが、

どうしても翔太のことが頭から離れなかった。

部室の窓から見えるグラウンドでは、

サッカー部のメンバーがウォーミングアップをしているのが見えた。

翔太もその中にいて、真剣な表情でボールを蹴っていた。

「美咲、今日勝つといいね!」

同じパソコン部の友人でもある高橋由美が声をかけてきた。

「うん、田中君が絶対にシュート決めるって言ってくれたから。」

美咲は少し照れながら答えた。

「それは楽しみだね!我が『わかでき学園のネイマール』がそう言ったなら、

絶対にシュート決めるって!」

由美はにっこりと笑った。

試合が始まる時間が近づくと、二人はグラウンドに向かった。

観客席にはすでに多くの生徒や保護者が集まっており、

試合の雰囲気が高まっていた。

美咲は友人たちと一緒に座り、翔太の姿を探した。

彼はチームの中心で、ミッドフィルダーとして指示を出していた。

試合が始まると、翔太のプレーは一段と輝いて見えた。

彼の動きは俊敏で、ボールを巧みに操り、相手チームのディフェンスを次々と突破していった。

美咲は息をのんでその様子を見守った。

翔太がボールを持つたびに、彼女の心臓はドキドキと高鳴った。

試合の後半、ついにその瞬間が訪れた。

翔太がゴール前でボールを受け取り、相手ディフェンダーをかわしてシュートを放った。

ボールは美しい弧を描き、ゴールネットに突き刺さった。

観客席からは歓声が上がり、美咲も思わず立ち上がって拍手を送った。

「やった!」翔太はガッツポーズをし、チームメイトと喜びを分かち合った。

その姿を見て、美咲の胸は温かい感情で満たされた。

試合が終わり、翔太は美咲の元に駆け寄った。

「佐藤さん、見ててくれた?約束通り、シュート決めたよ!」

「うん、すごかったよ、さすがだね!」

美咲は笑顔で答えた。

「ありがとう、君が応援してくれたおかげだよ。」

翔太は照れくさそうに言った。その瞬間、

美咲は翔太への気持ちがますます強くなっていることを感じた。

彼の真剣な姿勢と優しさに、彼女は心から惹かれていたのだ。

第3話へ続く

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