【プチコラム07】Internet Explorer 11のサポート終了とブラウザ事情の変化 Part②
※Part①の続きとなっております。
良ければ先に【プチコラム06】Internet Explorer 11のサポート終了とブラウザ事情の変化 Part①をご覧ください。
改めて、2つめの話題「昨今のブラウザ事情の変化」についてです。
今回サポート終了したInternet Explorerを含めた「インターネットを閲覧するためのアプリ」の総称を「ブラウザ」といいます。
ブラウザは、Webページを表示するための「HTML」等のプログラミング言語を解釈し、各種WebページをHTML等の指示に従って、画面上に描写するためのアプリです。
その解釈の際に使われているのが「レンダリングエンジン」です。
このレンダリングエンジンには大きく分けていくつかのグループがあります。
Trident…Internet Explorer
Blink…GoogleChrome系、Microsoft Edge、Opera等
Gecko…FireFox
WebKit…Safari
他にもいくつかありますが、一般的な使用率の高いブラウザだと上記が代表的なものになります。
そして、今回のInternet Explorerのサポート終了により、Tridentが消える事になります。
Internet Explorerを使っていた方の多くが別のブラウザへ乗り換えられると思われますが、Windows標準になっているMicrosoft Edgeに乗り換える方が多いと思います。
各種レンダリングエンジンは、それぞれによって少しずつ動作に違いがあります。
その為、「とあるサイトを見た時、Internet Explorerだとちゃんと表示されるのに、Edgeだと画面が崩れる」というようなことが発生します。
これは、そのサイトの制作者が、Internet Explorerでのみ表示確認を行っていて、EdgeやChrome等では表示確認を行っていない為に調整ができていないという事です。
特に日本の場合は行政機関のホームページ等で数年前まで良く起こっていました。
ここ1年2年は、Internet Explorerへの依存脱却の為に他のブラウザでの動作もきちんと調整されることが増えています。
一般のサイトの場合も同様で、ブラウザが変わると表示が変わってしまったり、少し崩れてしまったりという事も実際にあります。
これは、パソコンがおかしくなったとかではなく、今までの説明の通り「ブラウザが変わったのでレンダリングエンジンが変わってしまい、表示に違いが出ている」という事を知っておいてください。
なお、GoogleChromeやMicrosoft Edge等のように同じレンダリングエンジンを利用している場合には違いが出る事はほとんどありません。
レンダリングエンジンの種類を紹介した時に見た通り、現在主流なほとんどのブラウザではBlinkがベースになっています。レンダリングエンジンが統一されている方がWebサイトを開発する方にとっても開発をしやすい環境と言えます。
ただ逆から見た場合、不具合や脆弱性も似た傾向になる場合があり、便利になる一方でウィルスの開発者等は攻撃先を絞って開発することが出来てしまうため、Webページを介したウィルス等の標的になる確率もその分上がってしまいます。
より一層、自衛策としてのウィルス対策やアプリの更新をきちんとしておくことが一般の利用者にも求められるようになっています。