DXってデラックス？
最近良く見かける「DX」。
本当に某CMのように「デラックス」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれ「デジタルトラスフォーメーション（Digital Transformation）」のことで、「デジタル変換」「デジタル化」という意味です。
英語ではTransをXと表記する習慣があるそうで、「DX」と表記されます。
デジタル化というと最近は「IT化」という言葉もありました。
IT化とDXはイコールではないのかという疑問もあります。
そもそもDXは「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念があります。
2018年には経済産業省がガイドラインなどを発表し、国家レベルで取り組んでいることがわかります。
定義の中では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」としており、「デジタル変換」というよりも「変革」という言葉が出てくるように、あらゆるイノベーションが起ころうとしています。
単なるデジタル化、IT化ではなく、企業や社会をデジタル技術で変革することが目的とされています。
すでにDXの波はやってきています。
例えば音楽では、デジタル化によってダウンロード販売やiPodなどで楽しむことが主流となり、そこからさらに個人が音楽を売買したり、サブスクリプションによって「変革」がもたらさせれています。
Amazonはインターネット上にプラットフォームを構築することで、商品をどこでも注文できるという新しい買い物スタイルを生み出し、消費行動に大きな「変革」をもたらしました。
マイクロソフトもこれまでのパソコンとのセット販売から「Office365」「Microsoft365」としてクラウドサービスとサブスクリプションのビジネスに「変革」していっています。
ユーザーとしては初めからソフトが入っていない、契約形態も小難しいため不親切な面もありますが、OneDriveというクラウドサービスの普及によってデータの持ち運びや共有の概念が大きく変わりました。
もちろんマイクロソフトの利益も急上昇です。
あらゆる業界でDXを導入することで、生産性の向上やコストの削減が期待でき、市場や消費者の行動変化に対応したビジネスへ転換が可能になり、大きな利益につながっていきます。
その他にもRPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）という業務の機械化の導入やAI・IoT・クラウドの活用によって、デジタルを利用したビジネスの変化が期待されています。
個々最近のテレワークに伴ったWeb会議やセキュリティの導入もDXの一つです。
DXの導入には手順があり、経済産業省のガイドにも記載されています。
- デジタル技術で何をするかビジョンの共有をする
- 経営トップ層が号令をかける
- トライアンドエラーで継続的に取り組みことを意識させる
- チームの発足と具tらい的な導入指標の作成
- DX導入の意思決定と予算を決める
- 全社的に協力しながら、場合によっては外部とも連携する
- DX導入に必要な人材の育成と確保を行う
ではなぜ今、DXの導入が叫ばれているのでしょうか。
それは「2025年の壁」と呼ばれる既存システムの老朽化とブラックボックス化が起こると言われています。
システム構築した担当者が退職したり、自社の業務に合うように細かいカスタマイズを加えていくことで複雑化して全貌がわからなくなってしまい、あらゆる変化に対応できなかったり、保守運用のコストアップといった問題が発生してきます。
それが2025年以降に年間最大12兆円の損失が生じる可能性があると言われています。
まずは自分の会社に何が必要なのか、どのようなデジタル技術で何をしていくのかを考えます。
大きな変革だけでなく小さな変革もDXです。
デジタル化によってビジネスが多様化し、さらに既存のシステムの老朽化、消費行動の変化（モノからコトへの変化）に対応できるよう企業や業務も変革していく必要があります。
そこに小さなDXでも構いませんので、なにか考えてみるのも面白いのではないでしょうか。
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